先日、他院から紹介された患者さんの画像を見る機会がありました。
その患者さんは、横浜の病院で第6・7肋骨骨折と診断されていました。
……といっても、最初に僕がその情報を聞かされていたわけではありません。
渡されたのは、CD-Rだけ。
「これ、お願いします」
「……えっ?」
正直、そんな感じでした。
僕の職場には、病院との連携施設があります。
CTやMRIがうちにはないのでCT、MRIが必要な患者はその連携病院で検査だけして、当日もしくは後日、うちのクリニックで院長が診察をします。
そこでは放射線科のドクターが画像を読影し、レポートとキー画像を添付して、紙ベースでファックスで送ってくれます。
なので、どこがどう診断されているのか、ある程度の情報を持った状態で画像を見ることができます。
一方、今回のようにCD-Rだけ渡された場合は、こちらで画像を確認して、必要なキー画像を自分でプリントすることになります。出さなくても良いのですがその方が親切かと思って出してます。
今回も、何の情報もないまま画像を見始めました。
すると、自分には第9・10肋骨にも骨折があるように見えました。
「9番、10番じゃないかな?」
そう思って、その部分をプリント。


プリントを違う看護師さんに渡すと、
「診断書には6番、7番の骨折と書いてありますよ」
と教えてもらいました。
そこで、自分が9・10番だと思っていたプリントを書き換え、6・7番としてもう一度プリントしてその看護師さんに渡しました。
でも、僕の中にはどうしても引っかかるものがありました。
「最初に自分が見た9・10番は何だったんだろう?」
そこで、もう一度画像を見直しました。
すると……
6・7番にも骨折がありました。


そして、最初に自分が気づいた9・10番にも骨折がありました。
結果的には、両方あったということです。
何も情報がない状態で画像を見たからこそ、最初に9・10番にも目が向いた。
もし最初から「6・7番です」と聞いていたら、そこを中心に見て、9・10番を見落としていた可能性もあります。
そう考えると、今回の出来事は少し複雑です。
そして、ここからさらに思わぬ発見がありました。
画像をもう一度確認するために、サーバーをいろいろ触っていると……
MPRが作れる。
しかも、スラブ厚だけではなく、間隔まで調整できる。

「こんな機能、あったんだ……。」
普段使っているサーバーなのに、今まで知らなかった機能が眠っていました。
もちろん、CTそのもののMPRには敵いません。
サジタルやコロナルに再構成すると画質が落ちるのも仕方ありません。
それでも、僕にとっては大きな発見でした。
他院から紹介されたデータを、自分の職場のサーバーで再構成できる。
これが分かっただけでも、今回の収穫は大きかったと思います。


患者さんにとっても、結果的にはよかったのではないかと思います。
もともと診断されていた6・7番だけではなく、9・10番にも気づくことができた。
そして来週には、フォローのレントゲン撮影も予定しています。
今回の画像を見直したことで、次にどこを意識して確認するかという点でも、自分にとって良い経験になりました。
もちろん、最初に診断情報を共有してもらえていれば、もっとスムーズだったと思います。
医療では、画像だけでなく、「どこで、何と診断されているのか」という一言の情報も大切なんだと改めて感じました。
そして僕は今回、骨折を探していたはずなのに、
思いがけず、サーバーの中に眠っていた“金”まで掘り当ててしまいました。
怪我の功名。
そんな一日でした。
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