今日は桜川市で副業、レントゲン室へ向かう。
いつものように仕事を始めようとすると、
机の上に、一枚のメモが置いてあった。
「ん?」
メモには、こう書いてある。

内容は、
CTはGEの推奨するプロトコールで撮影し、
5.1 chestを送って実行してください。
自動送信されます。
というものだった。
ん…
胸がざわつく
この5.1chestは自動送信用のプロトコール
アキシャル コロナル 肺野 縦隔 5ミリ
簡単にいうと検査をしたら画像を確認する間もなく画像がサーバーに送信される。
それが嫌でGEに電話をして自動送信を外したプロトコールを組んだ。
せっかく検査をしたのだから、画像が曲がっていたら真っ直ぐに再構成して出したい。サジタールも出したい。スライス厚も薄くしたい。
とりあえずメモを残した技師に連絡したが出ない。
気になって看護師に聞いてみる。
看護師いわく、院長先生は、できるだけ早く画像を見たいと言ってるらしい。
俺は過去に非常勤の先生に画像の出し方を褒められた事がある。見やすいしわかりやすいと
看護師にそう伝えたが、
看護師からは非常勤医師の事はほっておいて良いと言われた。
言われた通り自動送信のプロトコールを使ってCTをとりカルテをみて気になった所は自動送信後、MPR→GEではリフォーマット、それから3Dを作り送信した。
悶々とした気持ちで仕事終えた。
午後から本業のクリニックに向かうため、車を走らせる。
すると、車の中で電話が鳴った。
朝、電話した技師の折り返しの電話だった。
そこで技師の話を聞いて、初めて知った。
桜川市のスタッフから、
「〇〇さんは仕事が遅い」
と言われてるらしい。
「え?」
正直、少し意外だった。
自分では、丁寧にやっているつもりだった。
看護師からも、
「非常勤医師が〇〇さんのCTの出し方で他技師も揃えて」
と言われたことがあった。
非常勤医師も俺の事を褒めていたと伝えられ事もあった。(CTの画像再構成)
それなのに、今度は「遅い」。
ちょっと話が違う。
少し運転しながら考えた。
誰かが間違っているというより、
「求められている速さ」と
「自分が考えていた丁寧さ」
そのバランスが、少し違っていたのかもしれない。
だったら、やり方を少し変えてみようと思う。
まずは施設の自動プロトコルで出す。
その画像を自分で確認する。
そして、気になるところがあれば、そこから追加でMPRや薄いスライスなどを出していく。
自分のやり方を捨てるわけではない。
その場所が何を求めているのかを見ながら、少しやり方を変える。
バイトという立場なら、そういう柔軟さも必要なのかもしれない。
速さだけでもない。
深さだけでもない。
その間を探しながら仕事をする。
速深相半。
速さと深さ。
どちらも大事。
そのちょうどいいところを探していく。
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