「心の相談室」で取り調べを受け、
俺はタバコを吸ったことを自白した。
その足で、
左右田君がいる7組へ向かった。
確認したかった。
なぜなら、
塾の帰り。
俺と左右田君しか知らない場所で、
タバコを吸っていた。
そのことを、
担任の先生が知っていたからだ。
左右田君に聞くと、
「ごめん」
と言った。
特に責める気にはならなかった。
その日のうちに、
学年主任にはピアスもバレた。
下校は左右田君と帰った。
左右田君は、
悪いことをやり過ぎているせいなのか、
この状況でも全然こたえていない。
俺は、
帰るのが憂鬱だった。
家に着くと、
庭に見知らぬ車が停まっていた。
嫌な予感しかしない。
玄関に入る。
見慣れない革靴。
担任の先生だった。
親父は築地で働いていた。
昼間は寝ていて、
夜になると東京へ出勤する。
寝ているはずの親父が、
起きていた。
客間に座る。
親父。
担任の先生。
そして俺。
担任の先生から、
今日のことを聞かされる。
すると親父が、
俺に聞いた。
「お前、タバコの味わかんのか?」
俺は黙っていた。
すると突然、
「お茶!」
親父が母親に言った。
母親がお茶を持ってくる。
そのお茶を、
親父は俺にぶっかけた。
熱い。
そう思った瞬間、
湯呑みが飛んできた。
そして、
ボコボコにされた。
担任の先生も、
「お父さん!」
と止めに入った。
でも、
止まらない。
「骨の一本や二本、覚悟しろ」
そう言っていた。
そして、
もう一つ隠していたものがバレた。
成績だ。
俺は当時、
成績表をそのまま親に渡していなかった。
前の成績をいくつか持っていて
それをコピーして親に渡していた。
成績を改ざんしたわけじゃない。
そんな技術はない。
ただ、
本物を見せられなかった。
怒られるのが嫌だった。
俺の本当の順位は、
255人中247位。
ワースト8位。
下から数えれば、
あと8人しかいない。
中学2年の1学期の通知表で
国語と数学は「1」。
今思えば、
そこまで隠していた俺も俺だが、
その成績で気づかなかった親も親だ。
しかし、
この日。
俺の秘密は、
全部バレた。
その日のうちに、
床屋へ連れて行かれた。
そして、
俺の髪の毛は無くなった。
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