心の相談室

中学2年。

左右田君に教わったタバコ。

開けてもらった耳の穴。

ロカビリーダンスに、スケボー。

オシャレにも気を遣うようになった。

部活はやっていない。

勉強もしない。

一生懸命やることが、

なんだかダサいと思っていた。

今思えば、

色気づいただけの、

中身なんてない、ペラッペラのクソガキだった。

そんなある日。

同級生の一人が、

タバコを吸っているところを見つかった。

そこから、

次々と名前が出てきた。

一人。

また一人。

まさに芋づる式。

そして、

俺の名前もあがった。

授業中。

担任の先生に呼び出された。

連れて行かれたのは、

「心の相談室」

という教室だった。

名前だけ聞けば、

ずいぶん優しそうな部屋だ。

でも、

前面の窓は黒いカーテンで覆われていた。

そこで始まったのは、

心の相談ではなかった。

取り調べだった。

「吸ってません」

「知りません」

最後まで抵抗した。

投げられて、

引きずられて、

それでも抵抗した。

ところが先生は、

タバコの本数。

吸っていた場所。

次々と当ててくる。

さすがに、

ここまで具体的に言われると、

ダンマリを決め込むのも難しい。

そして俺は、

ついに認めた。

タバコを吸っていたことを。

「心の相談室」で、

俺の心が折れた。

いや、

折れたのは心だけではなかった。

14歳の俺を支えていた

張りぼての自尊心も。

坊主へのカウントダウンは、

ここから始まった。

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