一見一解

うちのクリニックには、CTというモダリティがない。

だから、CTが必要な患者さんは他院へ紹介することになる。

今回の患者さんは、他院で撮影されたCT画像がありうちに先週来た。

そのCTで確認されていた肋骨骨折は、6番、7番、9番、10番。

1週間後、フォローアップのため当院を受診。

肋骨の状態を確認するため、単純X線撮影を行った。

画像を確認する。

4、5、6、7、8、9、10、11番。

複数の肋骨に骨折を疑う所見がある。

そして、胸水も気になる。

「あれ?」

以前のCTでは6、7、9、10番だった。

では、4番と5番は?

8番と11番は?

そこで、以前撮影されたCTをもう一度確認することにした。

まず、6、7、9、10番。

ここは確認できる。

では4番、5番。

もう一度追ってみる。

さらにサーバーでの画像再構成でも確認する。

CTの様には行きませんが…

それでも、はっきりとした骨折は見つからない。

では8番。

……あった。

11番も追ってみる。

……こちらもある。

最初にCTを確認したときには気づかなかった8番と11番の骨折。

見直すことで、新たに見えてきた。

一方で、X線で疑われた4番と5番については、2mmのMPRまで含めて確認しても、はっきりとした骨折は確認できなかった。さらに前回CTでは胸水も確認できず。

画像って、不思議だ。

同じ患者さんの画像でも、撮影するモダリティによって見えるものが違う。

単純X線では見えていたものが、CTでははっきりしないこともある。

逆に、最初は気づかなかったものを、時間を置いて見直すことで見つけられることもある。

今回、僕が改めて感じたのは、

一度見た画像だからといって、それで終わりではない。

ということだった。

放射線技師の仕事をしていると、毎日のように画像を見る。

骨折はないか。

肺野に異常はないか。

何か見落としているものはないか。

ある意味、毎日が「間違い探し」なのかもしれない。

そして、その間違い探しには答え合わせがないこともある。

だからこそ、

「本当にこれでいいのか?」

と、一度立ち止まってみる。

もう一度見る。

違う角度から見る。

少し時間を置いて見る。

今回のように、そこで初めて見えてくるものもある。

一見一解。

一度見ただけで、一つの答えに決めつけない。

画像も、人も、たぶん同じだ。

見たつもりになっていても、まだ見えていないものがある。

だから今日も、もう一度見る。

それが僕の仕事なのだと思う。

あわせて読む。

怪我の功名

コメント

タイトルとURLをコピーしました