職場主任は、
勤続34年の大ベテラン。
前回俺は主任、いやレジェンドの
底知れない実力を垣間見た。
今回は、その続編である。
ある日、
他院から届いたCTの画像データを
サーバーに取り込んだ。
肋骨骨折の症例だった。
肋骨は左右に12本ずつある。
骨折の場所を見つけるだけでなく、
何番の肋骨なのかを特定するには、
一本ずつ追いかけていく必要がある。
俺は画像を確認しながら、
肋骨を下から順番に追っていった。
12番、11番、10番……。
一本ずつ番号を確認し、
矢印をつけていく。
地道な作業である。
そうしてようやく、
必要なキー画像が完成した。
アキシャル画像には矢印をつけ、
肋骨の6番と7番に番号を記載した。
これなら分かりやすい。
俺はレジェンドに画像を渡した。
するとレジェンド。
「ほんとだーっ‼️
6、7だーっ‼️」
おお。
さすが、レジェンド。
俺が一本ずつ追いかけて
ようやく確認した肋骨の番号を、
レジェンドは一目で理解したようだ。
勤続34年。
毎日、画像を見続けてきた経験は、
俺の想像を超えるものなのかもしれない。
ハンターハンターのネテロ会長は、
毎日、感謝の正拳突きを繰り返すことで、
人間離れした境地に達した。
レジェンドもまた、
34年間の積み重ねによって、
常人には見えないものまで
見えるようになったのだろうか。
もしかすると、
アキシャル画像をたった1枚見るだけで、
その人の身体の状態はもちろん、
これまで歩んできた人生まで
見抜いてしまうのかもしれない。
恐るべし、レジェンド。
俺もいつか、
その境地にたどり着きたい。
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