銀魂

母親が亡くなった頃

俺は22歳

「オーラの泉」というテレビ番組が流行っていた。

オーラが見える。

前世が見える。

そんな人がテレビに出ていた。

当時22歳だった俺は、

「本当に見えるのか?」

と、少し興味を持った。

そして、

試しに行ってみることにした。

霊媒師のところへ。

30分で1万円だったか、

1万5千円だったか。

もう正確には覚えていない。

部屋に入ると、

いきなり説教された。

字の書き方がどうだとか。

帽子を取れとか。

礼儀がなっていないとか。

霊媒師に会いに来たはずなのに、

なぜか礼儀作法の指導を受けていた。

そして、

俺のオーラはシルバー。

前世は武士。

人間に生まれてくるのは、

今回で2回目。

さらに、

母方の祖母が守護霊としてついているらしい。

そんな話を聞いているうちに、

時間はどんどん過ぎていった。

そして終盤。

霊媒師が言った。

「ところで、あんた何しに来たの?」

……。

こっちが聞きたい。

そこで初めて、

母親が亡くなったことを話した。

すると、

「六道」という話をされた。

この世で一番悪いことは、

人を殺すこと。

でも、

霊界では違う。

自分を殺すこと。

自殺が最大の罪だという。

人間は、

何かを学ぶために

この世に生まれてくる。

何を学ぶのかは、

人それぞれ違う。

そして、

生まれてくる時には、

その目的を忘れてしまうらしい。

だから人は、

生きながら、

自分が何を学ぶために生まれてきたのかを探していく。

そんな話だった。

そして、

俺は聞かされた。

母親は、

最大の罪を犯した。

だから今は、

地獄にいる。

300年は、

そこから上がってこられない。

母親が亡くなって、

まだそれほど時間は経っていなかった。

その母親が、

地獄にいる。

しかも、

300年。

俺は、

その話を聞いても、

納得できなかった。

というより、

納得したくなかった。

銀色のオーラ。

武士だった前世。

そして、

母親の魂。

22歳の俺は、

この話を信じていいのか、

分からなくなった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました